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誰もがSNSや動画共有サービスに動画を投稿して人気者になれる時代、動画編集や制作を始めてみようと考える方も多いでしょう。初心者が制作・投稿時につまずきやすい罠が、アスペクト比と解像度の関係です。今回はこの2点について、詳しく解説していきます。
動画を作成する上で欠かせないのが、画面サイズを決定するアスペクト比と解像度です。動画の投稿先が対応しているアスペクト比や解像度と動画自体の設定が合っていないと、せっかく制作した動画が投稿できない場合があります。そんな失敗をしないために、アスペクト比と解像度について詳しく学んでいきましょう。
映像の原理について知っていないと理解しにくい部分もあるので、まずはそちらを紹介します。動画制作を始めたばかりでも分かるように周辺の用語も説明していくので、一緒に見ていきましょう。
フレームレートとは、1秒間の映像を構成している画像の枚数です。映像はこの画像が集まることで、パラパラ漫画(アニメーション)のように繋がって見えています。
たとえば60fpsであれば1秒間に60枚の画像が入っているということ。fpsが高いほどなめらかで綺麗に見えますが、データサイズも大きくなるので無制限に高く設定できるわけではありません。
映像を構成する最小単位のことで、画素とも呼ばれます。フレームレートの部分で映像とは画像の集まりだと説明しましたが、この画像1枚を構成している粒がピクセルです。試しに好きな動画のスクリーンショットを撮って、最大まで拡大してみてください。色のついた四角形が集まって見えると思います。この四角1つが1ピクセルです。
4K動画は約800万画素なので、映像を構成する画像一枚一枚に800万個の四角が含まれていることになります。ピクセル数が大きいほど綺麗で立体的な映像となりますが、フレームレート同様にデータも大きくなります。
解像度とは、画像や動画に含まれる横と縦のピクセル数を現した数字です。
動画の一般的な解像度である1920×1080(1080p)を例にすると、横1920ピクセル、縦1080ピクセルが並んでいることになり、解像度は200万画素と表されます。これはフルHDとも呼ばれる解像度です。4K動画と呼ばれるものは3840×2160(2160p)なので約800万画素。フルHDの約4倍なのでこの名称がついています。
動画共有サービスでは「画質」と書かれていることもあり、1080pと720pの解像度の違いは見比べてみれば歴然。YouTubeでは投稿時の解像度以下であれば視聴者側で選択ができますが、480p以下は荒くて長時間見ているとストレスを感じることもあります。このように解像度とは、映像の綺麗さに直接関係する重要な部分です。
アスペクト比とは、出力する動画の画面における縦横の長さを比率で表したものです。「横:縦」の表記が一般的で、よく使われるのが「16:9(ワイド)」「4:3(スタンダード)」です。
アスペクト比と解像度には相性があります。たとえば、「16:9(ワイド)」と相性がいい解像度が「1920×1080(1080p)」や「1280×720(720p)」、「4:3(スタンダード)」と相性がいいのが「800×600(600p)」や「640×480(480p)」です。
動画のアスペクト比と画面のアスペクト比が異なると、表示できない部分が出現したり、無理やり画面のアスペクト比に引き延ばされてしまうことがあります。動画配信サイトのプラットフォームによってアスペクト比が異なるので、動画制作の際は投稿先や出力先のアスペクト比を確認するようにしましょう。
動画制作の基礎用語を知ったところで、一般的によく使われているアスペクト比を紹介します。インターネット上でよく使われる比率についても解説していくので、投稿したい動画がある方は参考にしてください。
一般的なアスペクト比の種類とよく使われている解像度はこちらです。
アスペクト比 |
相性のいい解像度 |
代表的な活用 |
16:9(ワイド) |
3840×2160(2160p) 1920×1080(1080p) 1280×720(720p) |
地上波デジタル放送、動画配信サイト |
4:3(スタンダード) |
800×600(600p) 640×480(480p) |
アナログ放送、ブラウン管テレビ画面 |
1:1(スクエア) |
1280×1280(1280p) 600×600(600p) |
インスタグラム |
2.35:1(シネマスコープ) |
1920×817.02 |
映画の劇場スクリーン、一部のCMやドラマの演出 |
9:16(縦撮り) |
1080×1920(1920p) 240×135(135p) |
TikTok |
16:10(WXGA) |
1280×800(800p) |
PCディスプレイ、プロジェクター |
動画配信サイトの最大手なので、投稿する方も多いでしょう。推奨アスペクト比は16:9、最大解像度8Kにまで対応しています。ただし、YouTubeではアスペクト比が16:9以外の場合、自動で上下左右に黒い帯が入るようになっています。動画サイズや視聴者のデバイスごとに自動調整してくれるので、余白を作る必要がありません。
公式サイトで推奨されている解像度があるので、参考までに紹介します。すべてアスペクト比は16:9の想定です。
出力解像度(エンコード時) |
推奨解像度 |
2160p |
3840x2160 |
1440p |
2560x1440 |
1080p |
1920x1080 |
720p |
1280x720 |
480p |
854x480 |
360p |
640x360 |
240p |
426x240 |
YouTubeの中でも新しい機能である縦型のショート動画です。最大60秒まで投稿できる短い動画で、視聴のしやすさから人気があります。
アスペクト比は9:16の縦長、推奨解像度は1080×1920です。こちらはアスペクト比の自動調整がないため、あらかじめ9:16で制作する必要があります。スマートフォンの縦型撮影の場合はデフォルトが9:16なので調整不要です。YouTubeに投稿済みの動画をYouTubeショートにも投稿する場合は、調整をしないと見づらくなる場合があるので注意しましょう。
YouTubeと並んで昔からある動画配信サイトです。音楽やゲーム系の動画の場合は、同時投稿する方もいるでしょう。推奨アスペクト比は16:9もしくは4:3です。
ニコニコ動画では動画自体のアスペクト比とは別に、投稿時にアスペクト比を選択する画面があります。あとから修正できず、間違えると画面が引き延ばされたりする場合があるので注意しましょう。この時選択するのは、黒帯などの余白も含めた動画自体のアスペクト比です。
ニコニコ動画では投稿可能なフォーマットが決まっているので紹介します。解像度は指定された数値以上のものが、自動的に出力解像度として生成されます。
出力解像度(エンコード時) |
解像度 |
1080p |
1920×1080 |
720p |
1280×720 |
480p |
854×480 |
参照:動画の投稿準備
このほかにも、ファイルサイズ3GBまで、解像度は4096×2160以下までと制限があります。ニコニコ動画向けの動画を制作する方は、一度チェックしておきましょう。
Instagramは特性上、スマートフォンでの視聴が想定されています。フィード投稿時とストーリーズ投稿時で推奨アスペクト比が違うので、解像度と一緒にまとめました。それぞれルールが違うので、制作の際は注意しましょう。
フィード投稿時
アスペクト比 |
解像度(最小) |
1.91:1(横型) |
600×315 |
1:1(正方形) |
600×500 |
4:5(縦型) |
600×750 |
縦・横どちらでも投稿可能となっています。すべて、最大解像度は1936×1936までです。
ストーリーズ投稿時
アスペクト比 |
解像度(最小) |
9:16(縦長) |
600×1067 1080×1920(推奨) |
スマホで撮影・投稿ができる手軽さから、学生や20代を中心に人気のSNSです。通常はスマートフォンの縦型で撮影することが多いので、その場合はアスペクト比の調整は必要ありません。推奨アスペクト比は9:16です。
TikTok広告の場合は9:16だけでなく、16:9や1:1も選択可能です。解像度はそれぞれ、540×960、960×540、640×640以上であれば投稿可能です。
LINEでは各種広告の配信に動画が使われていますが、それぞれアスペクト比が違います。それぞれ解像度は16:9が「240×135~1920×1080」、1:1が「600×600~1280×1280」、9:16が「125×240~1080×1920」です。
16:9 |
1:1 |
9:16 |
|
LINEマンガ |
〇 |
〇 |
× |
LINE NEWS |
〇 |
〇 |
× |
LINEショッピング |
〇 |
〇 |
× |
LINEポイント |
〇 |
〇 |
× |
LINE BLOG |
〇 |
〇 |
× |
LINE VOOM(タイムライン) |
〇 |
〇 |
〇 |
参照:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて
Facebookにも動画を投稿することができます。投稿する形式に合わせてアスペクト比の変更が推奨されているので、正しいものを選びましょう。選択できるアスペクト比は1.91:1(横型)、16:9(横型)、1:1(正方形)、4:5(縦型)、9:16(縦型)の5種類です。投稿形式ごとの推奨アスペクト比をまとめて見ていきましょう。
投稿 |
推奨アスペクト比 |
フィード投稿 |
4:5(縦型) |
ストーリーズ投稿 |
9:16(縦型) |
動画カルーセル |
1:1(正方形) |
インストリーム動画 |
16:9(横型) |
Audience Network(広告) |
9:16(縦型 |
Instagramショップ(広告) |
1:1(正方形) |
「制作する動画のアスペクト比を間違えてしまった!」という方のために、フリーソフトを使ってアスペクト比を変更する方法を解説します。
対応OS:Windows 11/10/8.1/7
DVDFab ToolkitはWindowsに対応した動画編集ソフトです。無料版があるので、ダウンロードして使用します。
起動したら、「ビデオツール」のなかにある「クロップ」を選択します。クロップとは動画内の不要な余白などを切り取れる機能です。
クロップを開いたら、アスペクト比を変更したい動画をドラッグ&ドロップ追加します。
動画を追加するとアスペクト比を選択する部分があるので、該当するアスペクト比に変更します。その他、動画の画面サイズに関する細かい編集も可能です。
保存先を選んでスタートを押せば、変換が始まります。
フリーソフトを使えば簡単にアスペクト比は変更できますが、場合によっては映像が伸縮する可能性があるため、制作前にアスペクト比をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
動画制作をしていく上で基礎となるアスペクト比、解像度について詳しく解説してきました。投稿したい動画プラットフォームが決まっている場合は、あらかじめプラットフォームが推奨している設定で制作していくのがおすすめです。数字が多くて混乱する方もいるかもしれませんが、アスペクト比は画面の比率で、基本は「16:9」の「解像度1920×1080」と覚えておけば大丈夫です。綺麗な動画を作るために大切なので、今回の記事を動画制作の参考にしてみてください。
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